私が学びたいことがここにある

救命救急の手技をDOCSで知り、
興味を持ったことに自ら飛び込む楽しさを知った

学科も学年も超えて医療で繋がるDOCSの魅力

学生のうちに臨床に近いことを学びたい。そんな思いから、「DOCS(Development of Clinical Skills)」に参加しています。この団体は、2007年から東京医科大学に発足した学生団体で、BLS(心肺停止が疑われる患者に対して、最初に行う一次救命処置)やトリアージ(災害時や救急外来において、多数の患者の緊急度や重症度を見極め、治療や搬送の優先順位を選別すること)をはじめ、臨床で役立つ手技を学生同士で自主的に学んでいます。座学で勉強したことを臨床として落とし込むことができるので、理解も深まり日頃の勉強へのモチーベーションにも繋がっています。

DOCSでの活動の良さは、手技を身につけることができるだけではありません。医学科と看護学科合わせて100名くらいが参加しているので、学年も学科も超えて一緒に学びを深めることができるのも魅力です。1年生のときには、医学科と看護学科の先輩とチームを組んで、全国の医学生がBLSの手技を競い合う「BLS選手権」に出場しました、チームを組んだ先輩とは、同じ目標を共有し一緒に練習を重ねたことで絆が生まれ、今でも交流が続いています。

医学科の学生に医学的な視点でメカニズムを解説してもらったり、医学科の学生と手技の練習をする中で他職種連携を体験することができたり。学科を超えて一緒に活動することで医療への興味はますます広がり、いい刺激になっています。

興味のある世界を広げ、自ら学びを掴みにいく

2年生の必修科目「災害看護論」をきっかけに、災害での看護にも興味を持ちました。そして、DOCSの先輩に教えてもらった日本災害看護学会学生会(SAN)にも所属しています。そこでは、災害現場の最前線で活躍している医師や看護師に話を聞いたり、災害拠点病院を見学させてもらったりすることができるのですが、そこで学んだことを興味のある人たちにも共有したいと思い、DOCSで勉強会を企画しました。学んだことを整理して伝えることで、より理解することができましたし、学科を超えて意見などを交わすことで課題への考え方にも広がりを持つことができました。

DOCSに参加したことで、興味を広げる楽しさを知りましたし、学びたいことがある場に飛び込むフットワークは軽くなったかもしれません。今は、法医学の研究室にも足を運び、小児虐待の対応について医師と看護師のそれぞれの役割やすべき対応について学んでいます。単位には影響しませんが、学ぶ機会は学生の特権。好奇心を大切に、自分から学びを掴みにいく気持ちで臨んでいます。

看護師はジェネラリスト、と言われることが多いですが、近年は専門性を持つことも多くなっています。私もいずれは自分の専門性を持ちたいと思っていますが、今はあえて絞りきらずに広くいろいろな分野に触れるようにもしています。それは、看護師がいろいろなものを“繋ぐ”役割があると思うから。看護師がひとりでできる範囲は限られていますし、他の職種とは専門性も権限も異なります。そういう中で、さまざまな職種や専門家に対して理解をすることが、患者さんに必要な支援を届けるための一歩になると思うのです。

チューターをする中で、看護の視点も育まれた

3年生の終わりから、後輩のサポートをするチューターをしています。チューター制度とは教員からの推薦者と学生の自薦他薦により選ばれた学生が、学長から正式に委嘱状を受け、実習前の技術練習支援・学習相談をおこなう制度です。実習前に経験者として内容を伝えたり、手技を指導したりするのが主な役割です。私自身も後輩としてチューター制度を利用していて、実習前は特に救われたところが大きかったので、その経験をもとに知識や技術だけではなく、病棟の雰囲気やどういうふうに振る舞うと患者さんと話がしやすいかなど、看護学生としてのコミュニケーションの取り方なども伝えるようにしています。

チューターとして関わる後輩たちは、物怖じせず質問できる学生ばかりではありません。何を聞いたらいいかわからない、話しかけるのに勇気がいるという人も少なくないので、声をかけやすい空気感を作るように心がけたり、こちらからも声をかけたりしていました。また、手技の指導でも、どこに苦手意識や自身が持てない原因があるのかを見つけて、手を差し伸べるようなイメージで指導に当たっていました。チューターをすることで、そのような視点や取り組み方を身につけることができ、思いがけず、看護に必要な「観る」ことを養うことができました。

将来は救急や集中治療の分野で活躍できる看護師になりたいと思っていますが、5年ほど現場で経験を積んだら、指導医の下で一定レベルの医療行為や診療をすることができる「診療看護師(NP)」の資格取得を目指そうと思っています。大学院を受験して修士課程で2年間にわたり専門的な知識や技術を学ぶ必要があるのですが、専門性を持ちながら活躍の場を広げられると思うと、目指さない理由はありません。高い目標も持ちながら、まずはそこを目指せるような看護実践をしていきたいと思っています。

※記事内容は取材当時のものです。