私が学びたいことがここにある

整形外科のフィールドでもっと活躍するために、看護の力が必要だった

柔道整復師として、もっと役立つ存在になるために

私は、柔道整復師として社会人経験を経て、看護師になる勉強をしようと、東京医科大学に入りました。もともと子どもの頃からサッカーに夢中で、何度となく怪我を経験し、その流れで自然と身体に関わる仕事を意識するようになったのをきっかけに、柔道整復師を目指しました。トレーナーへの可能性もあると思っていましたが、資格取得のために専門学校で解剖学など身体のことを学ぶうちに、医療の分野に興味を持ちはじめました。

国家資格取得後は整形外科病院に就職し、骨折や脱臼の患者さんの整復をしたり、骨折や打撲、捻挫の患者さんには、固定具を作ったり。時に、救急の対応をすることもありました。しかし、柔道整復師にできることには制限があり、出血している患者さんには触れることができないなど、もどかしく感じることもしばしば。そういうシーンを何度も経験し、看護師の資格やスキルも持っていたら、もっと患者さんの役に立てるのでないかと考えるようになりました。

当時の職場には、柔道整復師と看護師の資格を両方持っている方がいました。医師にしかできないこと以外は幅広くやっているのを見て、その活躍に憧れを抱いたのもあります。整形外科の分野においては、看護師の資格があれば、医師の処置に入りながら固定をするなど、患者さんへのアプローチは無駄がなくよりスムーズになります。将来、自分がどう働いていたいかも含めてあらためて考えて、看護師になるために大学に入ることを決意しました。

実習前に実践的な力を身につけられる教育環境の良さ

東京医科大学を選んだのは、大学病院があることが大きな理由です。充実した実習環境がある方が実践的な力が身につくと期待してのことだったのですが、看護スキルを伸ばす環境は大学病院だけではありませんでした。大学にいながら、現場に近いシチュエーションで技術を身につけることができるシミュレーション教育も、この大学の良さだと感じています。

臨床現場をリアルに再現し、実習前にさまざまなトレーニングを行うのですが、重要なのはそれを記録した映像を見たり、それをベースに意見を交わしたりすること。同期の仲間がやっているのを見て、こういう動きがいいなと思うこともありますし、自分がやっているのを見て、どういう動きをしたらよかったかに気づくこともできます。自分の動きを客観的に見ることは、ステップアップの第一歩です。

看護学科は女性の方が圧倒的に多いのですが、さまざまな学生と一緒に学ぶことの良さも感じています。医療的なディスカッションでは、それぞれが異なる価値観や経験、視点をもとに意見を出し合うため、自分では気づかなかった考え方に触れることができます。それは、どの意見が正しいということではなく、それぞれに大切な視点があります。多様な考え方を組み合わせることで、患者さんへのアプローチの幅が広がり、多角的な視点で看護を考えることができます。さまざまな背景を持つ学生と共に看護について学べる環境で過ごせたことを、とても良かったと感じています。

アルバイト先で看護での学びを生かし、看護の真髄を知る

現在は、休日や長期休暇を中心に整形外科クリニックで柔道整復師としてアルバイトをしていますが、そこは看護の学びを生かすことができる貴重な場。看護を学ぶ前と後で、私自身、患者さんへの対応が変化したことを実感できる機会でもあります。

以前は、患者さんの対処をするとき、人というよりも疾患や状態に注目してしまいがちでした。当時を振り返ると、治療に納得してもらえない方に対して、少しドライに接してしまっていたところもあったかもしれません。しかし今はそういう場面でも、患者さんにもなにかしらの事情があるのかな、大きな怪我をしている場合は心的ショックも大きいのだろうと考え、ゆっくりと話を聞いたり、言葉を選びながら伝えたりできるようになりました。

柔道整復師としてやっていることは、看護を学ぶ前からさほど変わっていませんが、看護としての接し方や寄り添い方を意識して少しアプローチを変えるだけで、患者さんの受け止め方や印象、理解度や満足度などが変わるというのは、大きな気づきです。

将来は、整形外科のフィールドで看護師と柔道整復師の両方のスキルを生かして活躍したいと思っていますが、その前に救急への知識や手技を身につけるため、救命救急やICUでも経験を積みたいと考えています。検査のデータなども理解できたら、看護としても役に立てるシーンは増えると思うので、これからも医療の学びを深め、力をつけていきたいです。

※記事内容は取材当時のものです。