文系大学時代に想像できなかった研究三昧の日々。 新しいものを発見する魅力に、この大学で出会えた。
「自分の手で新しいものを見つける」という魅力
私は1年生の秋くらいから研究室に通い、先生に指導していただきながら研究に取り組んでいます。研究にチャレンジしてみようと思った理由は、科学的な研究の〝自分の手で新しいものを見つける〟というところに文系の研究とは異なる魅力を感じ、そういうものに触れてみたかったというのがひとつ。
将来どのような道へ進むかを考えた時にも、臨床1本に絞り込む前に、できるだけいろいろな角度から医療に触れ、さまざまな体験をする中で吟味したかったので、その経験のひとつとしても研究に興味を持ちました。
現在は、天然由来で安全性の高い植物由来エクソソーム(細胞外小胞)を運び屋にしてCRISPR/Cas9を脳内に届けてゲノム編集を誘導する方法の開発をテーマに研究を進めています。
この技術は、神経変異疾患やALS(筋萎縮性側索硬化症)をターゲットとした新たな治療の開発を目指すもの。
研究室の先生の力をお借りして具体的な研究計画を立てながら実験をコツコツ進め、今はこれまでのデータを元に論文を作成しています。学内学外を問わず学会に参加して研究発表をする機会もいただき、よい経験をさせていただきました。
研究をしたから広がった将来の視野
研究に取り組むことで、今学んでいる臨床医学が基礎医学から発展したものであるとより理解することができました。
そして、あらゆる角度から可能性を考え、マクロとミクロの両方の視点で物事を捉えることによって、医療そのものを俯瞰で捉えるような広い視野を持つことができたと感じています。
また、ひとつの研究結果を出すことで、目の前の患者さん一人だけでなく多くの人を救う可能性があるというのも、私にとっては大きな気づき。進路については、臨床と研究をどちらかに絞るのではなく、両方を続けることで双方の経験を生かしていく道も考えられるようになりました。
研究のこともそうでないことも、いろいろお話をお聞きしたり相談したりできる先生と出会えたことも研究室に入ってよかったと思うことのひとつですが、研究室以外の先生や技師さんにお聞きしたいことがあり連絡した時にも、快く時間をとって説明をしてくださったり、メールで丁寧にお返事してくださったり。
意欲を汲んで応援してくださる東京医科大学の環境のよさを、学生生活の毎日で感じています。
やりたいことを見直し思い切って転身してよかった
私は、今回が2回目の大学生活です。以前通っていた大学では経済学を専攻し、卒業後は就職して社会人になる予定でした。
しかし、就職活動を進める中で、自分が本当にやりたいのはどんなことなのかをあらためて考えた時、目の前の困っている人に直接手を差し伸べられるようなことがしたいのだと気がつきました。
そういう職業を考えた時に、最もしっくりときたのが医師。進学先は周りのいろいろな人たちに相談しましたが、母の主治医である東京医科大学出身の先生の豊富な知識とお人柄、そしてご活躍ぶりにも大きく影響を受けました。
また、いろいろな方に話を聞く中で魅力的だと感じたのは、縦横の繋がりが持てるような明るい雰囲気と環境。実際に、インターンシップやボランティア活動に参加したり、いろいろな先生とお会いする機会をいただいたり、学外の活動も豊富で充実した学びを得ています。
大きな進路変更はとても勇気のいることでしたが、思い切って大きな一歩を踏み出してよかったと、今あらためて思っています。