学生団体「DOCS」の活動で実感できた、 多職種で連携するチーム医療の価値と可能性。
医療を実践的に深く広く学ぶDOCS
私は、臨床現場で活きる知識や手技、コミュニケーションなどを楽しく学ぶことができる「DOCS(Development of Clinical Skills)」という学生団体に所属しています。
この団体は、医学科、看護学科、合わせて100名ほどが所属していて、心肺停止や呼吸停止などの緊急事態に対して、救急隊が到着するまでの間に行う一次救命処置BLSや、気管挿管、採血演習、三角巾を使った応急処置を学び、練習するというのが主な活動内容です。
集まるタイミングも内容も学生主体。年次に関係なく勉強会や練習会などの企画をすることができますし、時にはOB・OGを迎えて勉強会や現場での話を聞く会なども開催しています。
DOCSの活動の中で気管内挿管をシミュレーションできたのは貴重な機会でした。現場で挿管できるのは医師と認定を受けた救急救命士だけ。看護師は、器具を渡すなどのサポートでしか関わることができません。
今回、力加減や内容の複雑さなどを自分の手と感覚で体験できたことは、医師がやっていることの理解に繋がる大切な経験だったと思っています。
DOCSに参加したことで救命救急への興味が膨らんだ
2023年には、「全国医学生BLS選手権大会」に出場し、私が入っていたチームが全国1位を獲得することができました。
放課後や週末にはメンバーで集まって何度も練習をしたり、映像を撮ってお互いにフィードバックし合いながら技術を高めたり、工夫しながら練習したりしたことが結果に結びついたのは自信に繋がりましたし、規模は小さくてもチーム医療を体験できてよかったと思っています。
DOCSは医療への興味と学ぶ意欲が強い学生の集まりなので、わからないことも聞きやすく、一緒に学びを深めていこうとするポジティブな雰囲気があります。医学科と看護学科では、同じ医療というくくりの中でも角度が異なるので、それぞれが学んでいることを共有し合うことで、お互いに気づきが生まれることもあります。
医学科のメンバーが医学会に誘ってくれることもあって、参加してみると医療の進化を感じることができますし、実習で見聞きしたことと繋がって興味が広がります。
DOCSに参加したことで、EICUやICUなどといった救命救急を初めとする急性期医療に関わりたいという気持ちも膨らみつつあります。これからICU実習や手術室での見学など、専門性の高い実習が始まるので、楽しみです。
チーム医療を見据えて他学科と学べるこの大学へ
もともと私が看護師になろうと決めたのは、中学3年生の時。救急搬送されて意識不明になった母が意識を取り戻したのは、偶然にも私の15歳の誕生日でした。そのことを知った看護師さんが、私への手紙を書くことを母に提案してくれて、手作りの便箋を用意してくれたそうです。
手紙を受け取った後に、看護師さんとのやりとりを聞いて、家族のことまで考えて親身になってケアしてくださる気持ちと、マニュアル通りではない心ある対応に感動し、あんな素敵な看護師に私もなりたい!と強く思ったのです。
東京医科大学を志望したのは、将来、医師をはじめさまざまな職種の方と病院で一緒に働くことを考えたときに、他学科と同じキャンパスで学べる大学がいいと思ったから。部活動なども通じて他学科との交流ができるのは多職種連携への一歩になるはず、という当時の私の希望は、DOCSの活動に参加したことで見事に実感できています。
その他にも、シミュレーションルームで行われる実践的な学びや、ICTを活用した教育を積極的に行なっていること、またVR演習を導入していることも、この学校に興味を持った理由です。最先端の医療技術や最新技術を積極的に取り入れている環境で学ぶ良さも、日々感じています。