私が学びたいことがここにある

4年生

看護の理念を体現する先輩看護師たちの姿に将来の自分を重ねた

先輩たちのやさしくも熱意溢れる指導でやる気も膨らむ

実習は、看護師の後を付いて回るシャドーイングにはじまり、患者を受け持ったり、さまざまな診療科を経験したり。技術はもちろん、患者への寄り添い方も含めて看護を総合的に学びます。

日頃の勉強を頑張っていても、実習前は大きな不安と緊張が伴います。低学年の頃はチューター制度を利用し、高学年の先輩から「この病棟ではどんな知識と技術が必要か」などを教えてもらい、技術も一緒に復習しました。また、友人とシミュレーションルームで繰り返し練習をして、お互いにアドバイスをし合うことで、実習では落ち着いて動くことができました。

実習の多くは大学の先輩が多く働く東京医科大学病院で行うので、卒業後のイメージをしながら指導を受けることができモチベーションが上がりました。看護師の先輩から受ける指導はもちろん厳しくはありますが、熱意と愛情あっての指摘やアドバイスばかり。自分の行動のひとつ一つが患者に影響することの重大さも感じましたし、実習を重ねる度に看護師としての責任感も育まれました。そして、患者を第一に考えて動く看護師の姿に、附属病院の看護方針を感じ、将来ここで働くことができたら、と目標にも繋がっていきました。

患者さんと向き合う時間の中で「看護とは何か」を考えた

実習で肺炎の患者を受け持っていた時のこと、その方の容態が急に悪化してしまったことがありました。医療としての手は尽くしても、呼吸をすることすら辛く、話すこともできない状態の方を目の当たりにして考えたのは、「看護師としてなにができるだろう」ということ。そして、「看護とは一体なんなのか」ということでした。

実習担当の先生にも相談をして、その時に選んだのは、側にいる、ということ。今でもそれが正解だったのかはわかりませんが、少しでもその方の安心感につながったのなら、それも看護のひとつなのだろうと思います。学生時代にはなかなかできない貴重な体験によって、看護について考えることができましたし、終末期の看護についてもっと学びたいと思うようになりました。

この期間は精神的にも落ち込んでしまいましたが、そんな時に支えてくれたのは、担任でもあり、実習の担当でもあった先生。「できることをやっていこう」という前向きな声がけや「大丈夫?」と声をかけてくださる温かさに救われましたし、些細なことでも相談できる心強さのおかげで、安心して実習に取り組むことができました。

病院の外にも看護を必要とする場所があるという気づき

現在は、「働く世代の2型糖尿病患者の治療を困難にする原因は何か」をテーマに、卒業論文を書いています。このテーマに着目したのは、訪問看護実習でこの病気の大変さを目の当たりにし、若い世代でもこの疾患を持つ人がいることを知ったことがきっかけ。この病気は知識不足によって治療を怠ってしまうことも少なくないため、看護師としてどんなアプローチができるのかを考察しながら、看護のあり方についても向き合っているところです。

実習では、脳性麻痺の子どもたちが通う放課後デイサービスや、障害や難病のある方が軽作業などの仕事を提供するB型作業所など、病院以外の施設も見学して、医療や看護が行われているのが病院だけではないことを知りました。そして、病院の外でも、多職種が連携して患者を支えていることもわかり、看護師として活躍できるフィールドがいくつもあることにも気づくことができました。

将来的に病院以外で看護をすることも視野に入れていますが、まずは看護として多様な症例を経験でき、研修などの教育体制も整っている大学病院で経験を積みたいと考えています。来年から、実習でお世話になった東京医科大学病院に看護師として通うと思うと、楽しみなのと同時に気も引き締まります。